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鋳造業における自動注湯機の開発

automatic pouring machine

鋳造産業の注湯工程は高温の溶湯を鋳型へ注ぐ工程であり、作業者にとって過酷な作業環境です。 そこで、近年では注湯工程の自動化が進められています。 しかし、さまざまな取鍋形状があり、円筒形状取鍋では傾動角度によって溶湯流れが異なることから、 注湯の高速化と高精度化の両立は困難と言われています。 また、多品種少量生産化が進む中で、多様な鋳型へ高精度に注湯することが求められています。

当研究室では、上述の課題を解決し、鋳造技術の高度化を目的に、高速・高精度自動注湯機を実現する注湯制御システムの研究開発を行っています。 以下に、高速・高精度化を実現する注湯制御の要素技術を示します。

液面振動抑制制御

取鍋容器内の溶湯を振動させずに、高速動作を行う制御システム。 開発制御システムは、クレーン等の様々な搬送機器へ応用可能。

注湯流量制御

取鍋から流出する液体の流量制御システム。 注湯流量は、充填量、落下位置、湯口内液面レベルに影響を与えるため、流量制御は注湯機の高精度化に大きく貢献する。

充填重量制御

所望の注湯充填重量(鋳込重量)に高精度に注ぐ制御システム。 鋳造工程の歩留まり向上に大きく貢献する。当研究室の技術によって、あらゆる注湯環境でも充填量誤差3%以内を実現している。

流出液体落下位置制御

取鍋を前後動制御することで、所望の位置(湯口カップ中心)へ高精度に注湯する制御システム。 注湯中の湯こぼれ低減や湯口カップの小径化に貢献する。

湯口カップ内液面レベル制御

湯口カップから溶湯を溢れさせずに注湯時間を短縮化するためには、湯口カップ内液面レベルを高位置で保持することが必要となる。 多品種生産化によって、多様性を極める鋳型方案に対して、湯口カップ内液面レベルを高位置で保持する制御システム。

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